2008年07月16日の日記

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『山桜』
念願の 『山桜』 を観ました。 本当に、観て良かった。 思い出して、またうるうるしています。
守銭奴のような舅、姑、夫と暮らす野江が、山桜の下で一度だけ出会った弥一郎のことをひたすらに思い続ける姿が、とてもいじらしかった。 弥一郎もずっと野江のことを思い続けていたのだと思うと、また余計に。
なので、野江が婚家から離縁される場面では、純粋に 「良かった、出戻りって言われるかもしれないけど、絶対にこの方が良かった…」 と思ってしまいました。 世間体は良くないかもしれないけれど、野江のお父さんも 「あの家に嫁がせて本当に良かったのだろうか」 と思っているような節があったので、離縁されて良かったのだと思います。
野江が婚家から出ようとする時、奉公人のげんきちが見送る場面では涙が出てしまいました。 鬼のような家族に仕えてきたげんきちにとって、野江は一筋の光明のような存在だったのではないかと思います。 婚家でのひどい生活の中でも、げんきちと一緒のシーンはいつも温かかった。 げんきち、元気でね…。
実家に戻った野江に、やはり家族は温かくて、また涙が出てしまいました。 野江のお母さんが 「あなたは回り道をしているだけ」 という野江に語りかける言葉が胸にじーんと沁みました。
映画では、野江と弥一郎の行く末は描かれなかったのですが、ハッピーエンドでありますように。 絶対に絶対にハッピーエンドでありますように。

欲を言えば、年貢の引き下げの嘆願書を提出した農民たちが、厳しい取り立てを課した諏訪を斬った弥一郎の助命嘆願書を出すようなシーンがあれば良かったなぁ。 農民の中の1人の母と幼い娘が満足に食事もできず死んでしまったことが、弥一郎が諏訪を斬ろうとした一因でもあると思うので、その農民に何か行動を起こしてほしかった。 それってチープ?
あと、一青窈さんの歌は良かったのですが、途中の語りの部分がとても余計でした。 映画の内容にまったくそぐわない内容だったので、エンドロール手前で流れて、ちょっと興醒めでした。
2008年07月16日(水)   No.1509 (映画)

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