『歩いても歩いても』 を観ました。 ネタばれあります。 ご注意ください。
以前観た 『誰も知らない』 の是枝裕和監督の作品ということで、「重い感じなのかな?」 と予想して観に行ったのですが、全然正反対の随所随所で笑える映画でした。 実際のテーマは重いんだろうけど、役者さん達がみなさん巧みで、笑えました。 樹木希林さんと原田義雄さんがご夫婦というのも、その長女が YOU ちゃんというのもどちらもしっくりしていました。 樹木希林さんと原田義雄さんなんて、「あれ、樹木希林さんの旦那さまって、原田義雄さんだったっけ?」 と軽く勘違いしてしまうくらい。 樹木希林さんと YOU ちゃんの親子も、「こういう言いたい放題の親子、いそうだよね」 って感じで、本当にしっくり。 勝手なイメージなのですが、YOU ちゃんって何かの起爆剤になることはあっても緩衝材になることはないタイプだと思っていました。 でも、この映画の中では、家族の中の緩衝材的役割で、それがすごく新鮮だった。 「こういうおばちゃんになりたいな」 と素直に思いました。 前に観た 『誰も知らない』 では本当にひどい母親役でしたから、そのギャップがすごかった。 映画の内容は本当に重いんですよ。 長男の命日に家族が集まってあれやこれや話し合ったり、長男の死の原因 (海で溺れた少年を助けようとして亡くなった) となった元少年 (今は肥満したフリーター) がお線香をあげに来たり、次男の奥さんが子連れの再婚でお母さんである樹木希林さんはそれが気に入らないとか、両親 (樹木希林さんと原田義雄さん) の老いの問題だったりとか。 でも時折笑えるので、そんなに重い気持ちに浸ることはありませんでした。 次男役の阿部寛さんが最後に呟く 「いつもちょっとだけ間に合わない」 という言葉が胸に沁みました。 本当にそう。 わかっていても、いつもちょっとだけ間に合わないんですよね。
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