『ディファイアンス』 を観ました。 簡単に説明すると、ナチスのユダヤ人狩りから逃れたユダヤ人たちの物語です。 …簡単すぎるか。 同じくナチスのユダヤ人迫害を描いた 『シンドラーのリスト』 と違うのは、『ディファイアンス』 はユダヤ人自身がビエルスキ兄弟を中心としたコミュニティを作り、時にはドイツ軍と戦い、ナチスの迫害から逃げ続けたということ。 逃亡と戦いを経るにつれて、コミュニティのメンバーがみるみるたくましくなっていく姿が印象的でした。 両親を殺されてめそめそ泣いていたビエルスキ兄弟の三男のアザエルが、最後は兄に代わってリーダーシップをとるまでになっていたり、コミュニティが作られた当初は、「頭脳労働者だから」 という理由(?)で釘1本まともに打つことができなかったイザックが、リーダーのトゥヴィア (ビエルスキ兄弟の長男) の右腕と言えるまでになっていたり。 女性もずいぶんたくましくなっていたなぁ。 食料調達の帰りに狼(?)に襲われそうになり、ほとんど銃の暴発と思えるような状態で狼を撃ち殺したリルカが、食料の袋を片手にその狼を背負って帰る姿は本当にたくましかった。 「あの狼が良い食料になりそうだなぁ。 でもリルカは持って帰ったりしないよなぁ」 と思っていたので、心の中で拍手喝采を送りました。 食料が不足する中でコミュニティ内で諍いが起こるのは仕方がないのですが、考えの違いから次男のズシュがコミュニティを抜けてソ連軍に参加してしまうのは悲しかった。 コミュニティでアザエルの結婚式を行っている時、ズシュはドイツ軍と死闘を繰り広げていて、その対比は何とも言えないものがありました。
途中何度も 「1941年○月」 と表示されるのですが、それを見る度 「終戦までまだ4年もある…」 と暗い気持ちになってしまいました。 本当に逃げ延びることができるのだろうか? と疑問に思うくらい過酷な生活だったので。
観る前は泣くとは思わなかったのですが、実際は声を上げて泣きたくなる映画でした。 ラスト間近で、イザックがトゥヴィアが止めるのも聞かず爆弾を手に持ちドイツ軍の戦車に突入していき、ドイツ軍兵士に撃たれて自爆してしまうシーンでは悲しみの涙が、その直後絶体絶命と思われた場面で、ソ連軍に参戦していたズシュ (「軍を抜けたら銃殺だ」 とまで言われていたのに) が仲間を連れて援軍のために駆けつけてくれたシーンでは感動の涙があふれてきました。 最後にトゥヴィアとズシュが抱き合うシーンも泣けました。 エンドロールの間ずっと、声を上げて泣きたい気持ちを抑えるのが大変でした。 こういう歴史だけは、絶対に繰り返してほしくありません。
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