今日の2本目 『小さな村の小さなダンサー』 を観ました。 ネタバレあります、ご注意ください。
すごく良い映画でした。 ただ私、内容をちょっと勘違いしていました。 事前に予告編もオフィシャルサイトも見ていなくて、タイトルと映画館に貼られていた小さなイメージ写真から、「中国の貧しい村で生まれ育った少年が、踊りの才能を見いだされて成功する」 という割と単純なサクセスストーリーを想像していたんです。 それも間違いではないのですが、映画のほんの一部にしかすぎませんでした。 もっと大きくて複雑な話だった。 …何から書けば良いんだろう。 約30年前の話なのですが、その当時の中国が共産主義バリバリで、国民の自由な海外渡航を許可していないことに驚きました。 毛沢東が1976年に亡くなっていたことも、今日初めて知りました。 「意外と最近じゃん (私の感覚です)」 と思ってしまった。 もっともっと昔の人だと思っていたので。 びつくり。 3ヵ月のバレー研修という名目でアメリカを訪れていた主人公リーが、アメリカ人の恋人もでき、アメリカで暮らしたいと思うようになって、周囲の協力でそれを果たそうとするあたりから、政治的な話になってきて驚きました。 その流れで感じたのは、「中国って、なんて恐ろしい国なんだろう…」 ということ。 途中本当に恐ろしい場面 (田舎に住むリーの家族が裏切り者として処刑される) があるのですが、それはリーが見た悪夢だとわかってちょっと安心しました。 それまでの流れで、本当にそんなことをやりかねない国だと思ってしまっていましたから。 …この映画、中国で上映できるのかな? 中国がすごく厳格に描かれているのに対して、アメリカはやっぱり自由。 リーを取り巻く人たちの優しさや思いやりに心を打たれました。 中でも、リーの亡命に協力したローリがバレー団のプリマドンナから群舞に降格させられた時、どう考えてもリーの亡命の一件が原因なのに、「自分のせいだ」 と謝るリーに 「それが原因ではない」 と言い切った場面に感動しました。 私だったら、リーを恨んじゃうだろうなぁ…と思いました。 人間の器が違いますな。 映画の終盤で、リーとメアリー (ローリの後任のプリマドンナ) の舞台の前に、「VIP の到着が遅れているので、開演が15分遅れる」 というアナウンスがあり、「VIP って誰よ? 私的には、リーの両親しかありえないけど (リーは中国への帰国を許されていないので、もう何年も会っていない)」 とちょっと期待してしまった。 でも、劇場に白バイ先導で到着したので、「なーんだ、大統領?」 とガッカリ。 でもでもでもでも、実際はやっぱりリーの両親だったとわかり、じわーっと涙があふれてきました。 すごく良い場面だった。 その背後に、周囲の人たちの並々ならぬ苦労があったことが容易に想像できるので、余計に感動しました。 実話を基にした映画にはよくあることですが、エンドロールの前にモデルとなった人たちのその後が紹介され、リーとメアリーが結婚したことがわかって、ちょっとうれしかった。 あとリーの最初の奥さんのエリザベスのことも紹介してくれていて、それもうれしかった。
…すみません、いつにも増してぐだぐだな感想ですね。 文章を書くのが下手で、本当に申し訳ない。 あ、これは書いておかなくては。 映画の中でたびたび出てくるバレエのシーンも秀逸でした。 映画じゃなくバレエの舞台を観ているかのような錯覚を覚えました。 映画の中の観客と一緒に拍手をしたくなりました。 美しかった。
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