梶原行夫/News


2021.11.26
長年懸案であった水の非弾性X線散乱の論文原稿がようやく完成。一般の人にも知られ
ている、しかし未だ専門的には決着のついていない、水の熱力学異常の問題について、
実験的にその起源を検証できたと自負しています。少なくとも、これまでにない新規な
アプローチをかけ、新たな議論の方向性は出せたと思っています。
できる限り早く、いろんな人の目にとまればと思い、ひとまずarXivにアップロードしました。
もしご興味あれば、是非ご一読ください。
・・・
ただ残念ながら、第一志望の雑誌は既にrejectになってしましました。
うーん、研究の真の価値が伝わっていない気がする。。。アピール不足か?
いや、真の価値は、この実験結果を基にこの後議論を展開する2本の論文で明らかになる
ので、現時点では仕方ないところか。
まぁ悩んでも仕方ないので、次の雑誌へ投稿中。

先月は久しぶりの出張、高圧力討論会@姫路でした。
コロナ禍の影響もあってここ一年半は出張をすべて自粛していましたが、やはり対面で
研究者の方々と議論するのは、オンライン会議とは別次元の価値や楽しさがあります。
早くコロナが収束して、またどんどん学会や会議に参加したいものです。
今回は対面/オンラインのハイブリッド開催と言うことで、実行委員会の方々の多大な
運営努力が見受けられました。感謝申し上げます。

2021.06.01
先月、物性研短期研究会 「ガラス及び関連する複雑系の最先端研究」にて、口頭発表(オンライン)を
行いました。タイトルは、「異常液体・水の比熱を理解する」です。
液体の水の熱力学異常について、特に比熱に着目して解釈を与えました。これまでにない切り口
(これは私の場合常ですが)で、しかもかなりシンプルな解釈ができたと自負しています。
今回はかなり反響もあったので、他者にも(ようやく)十分伝わったのだと認識しています。
内容は近いうち論文にまとめる予定です。

会議中の話題で、Angell先生が3月にお亡くなりになられていたことを初めて知りました。
個人的には、2017年の会議でお会いして、議論をしていただいて、特に私の新たなガラス転移の
シナリオについて、「そんなアイデアは聞いたことがない」とコメントいただいて(良いとも
悪いとも言いませんでしたが)、勇気をもらいました。
なにより、顕著な業績を挙げて世界的に有名になられてなお、無名の研究者と真摯に議論をされる
姿に感銘を受けていました。この姿勢は、雑誌Natureの 追悼記事にも記述がありました。
シナリオがほぼ完成したのでまた議論していただきたいと思っていたのに、非常に残念です。
ご冥福をお祈りします。

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