主な研究内容
質的研究とフィールドワーク
「保育実践の現場に根ざした研究とは、どのように行うのか?」「フィールドから収集した観察やインタビューデータをどのように分析するのか?」「そこで得た研究成果をどのように論文化し、学術雑誌の査読に通すのか?」など、質的研究方法論とフィールドワークに関心があります。具体的には、子どもの経験と遊び、保育者と子どもの関係、子どもと環境の相互作用、コンピュータを利用した保育実践、統合保育などのテーマについて、Ethnograpy、SCAT(Steps for Coding and Theorization)、Video-cued Multi-vocal Ethnography、TEA(Trajectory Equifinality Approach)、M-GTA(Modified Grounded Theory Approach)、Visual Ethnography、Auto Ethnography、Narrative Approachなど質的研究方法論や質的データ分析法を用いた、保育実践のフィールドワークを行っています。また、質的研究方法論それ自体についても検討しています。これまでの研究成果を掲載します (●:査読付学術雑誌)(◆:SSCI (Social Science Citation Index) Journal)。
<関連文献>
Ethnography
- 中坪史典・柴山真琴・田中浩司・二宮祐子「保育フォーラム:保育学の研究方法論を考える(1)保育実践と質的研究:その「質」を問う」,『保育学研究』,第55巻,第3号,105-120
- 境愛一郎・中西さやか・中坪史典 2012 「子どもの経験を質的に描き出す試み−M-GTAとTEMの比較−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第61号,197-206頁(共著)
- 中坪史典・金子嘉秀・中西さやか・富田雅子 2011 「保育者のストラテジーとしての感情労働−幼稚園の3歳児クラスの分析から−」『幼年教育研究年報』(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設),第33巻, 5-13頁(共著:筆頭著者)
- 中坪史典 2004 「研究方法としてのエスノグラフィー」『琉球大学教育学部紀要』,第65集,131-149頁(単著)
- 上田敏丈・原三智子・中坪史典 2001 「統合保育場面における障害児のエスノグラフィー−障害の程度の異なる2人の幼児に着目して−」乳幼児教育学研究,第10号,11-20頁(共著)
- 中坪史典・上田敏丈 2000 「統合保育場面における障害児を取り巻く人間関係」『保育学研究』,第38巻,第1号,45-52頁(共著:筆頭著者)
- 中坪史典 2000 「コンピュータがもたらす保育者と幼児の間のコンフリクト」『乳幼児教育学研究』,第9号,41-50頁(単著)
- 中坪史典 1999 「コンピュータが保育室にもたらす問題:保育者が抱く葛藤の様相」『保育学研究』,第37巻,第2号,47-54頁(単著)
- 中坪史典 1999 「幼稚園におけるコンピュータの利用に関する研究−自由遊び場面でのコンピュータ利用はどのような事象をもたらすか−」『教育学研究紀要第一部』,中国四国教育学会,第44巻,520-525頁(単著)
- 鳥光美緒子・青井倫子・北野幸子・二宮俊一郎・中坪史典・山内紀幸・大江昌恵・真宮美奈子・宗田はるこ 1997 「幼稚園生活に関するエスノグラフィー:幼児の「仲間」概念」『幼年教育研究年報』,広島大学教育学部附属幼年教育研究施設,第19巻,19-28頁(共著)
Video-cued Multi-vocal Ethnography
- Fuminori Nakatsubo, Harutomo Ueda and Misa Kayama “Why Don’t Japanese Early Childhood Educators Intervene in Children’s Physical Fights?: Some Characteristics of the Mimamoru Approach.” Early Childhood Education Journal. (in press)(Joint Study)
- Fuminori Nakatsubo, Harutomo Ueda Takako Yoshida, Mariko Inoue, Sayaka Nakanishi Aiichiro Sakai and Lok-Wah Li “The Educational Intention behind Non-Intervention: A Case on the Japanese Mimamoru Approach as Early Childhood Teachers’ Professionalism.” Croatian Journal of Education. (in press)(Joint Study).
- 大道香織・加藤望・権嚇虹・中坪史典「研究方法論としての多声的ビジュアル・エスノグラフィーの可能性と課題」『広島大学大学院人間社会科学研究科紀要』,第1号,213-220頁(共著)
- 中坪史典・秋田喜代美・砂上史子・高木恭子・辻谷真知子・箕輪潤子「日米の保育者は日本の幼稚園Webサイトをどう見るのか?−「こどものつぶやき」をめぐる語りに潜在する社会・文化的習慣や認識−」『チャイルドサイエンス』,第16巻,47-51(共著)
- 上田敏丈・中坪史典・吉田貴子・土谷香菜子 2017 「実践知としての保育者の「見守る」行為を解読する試み」『子ども学』,第5号,223-239(共著)
- Fuminori Nakatsubo, Kiyomi Akita, Tokie Masuda, Katsuo Yasumi, Fumiko Sunagami and Junko Minowa 2014 "How Do the Kindergarten Teachers Narrate Regarding the Recognition and Expression of Emotion Through the Video of Early Childhood Education and Care Practice?: Focus on a Clean-up Time Video Scene." Current Issues and Best Practices in Early Childhood Education. Vol.1 Summer 2014 pp.71-76(Joint Study: First Author)
- 中坪史典・秋田喜代美・増田時枝・箕輪潤子・安見克夫 2012 「保育カンファレンスにおける談話スタイルとその規定要因」『保育学研究』,第50巻,第1号,29-40頁(共著:筆頭著者)
- 砂上史子・秋田喜代美・中坪史典・増田時枝・箕輪潤子・安見克夫 2012 「幼稚園の片付けにおける実践知:戸外と室内の片付け場面に対する語りの比較」『発達心理学研究』,252-263(共著)
- 中坪史典・秋田喜代美・増田時枝・安見克夫・砂上史子・箕輪潤子 2010 「保育カンファレンスにおける保育者の語りの特徴−保育者の感情の認識と表出を中心に−」『乳幼児教育学研究』,第19号,1-10頁(共著:筆頭著者)
- Fuminori Nakatsubo, Kiyomi Akita, Tokie Masuda, Katsuo Yasumi, Fumiko Sunagami and Junko Minowa 2010 "A Comparative Study of Characteristics of Teachers' Narratives Regarding Recognition and Expression of Emotion among Japanese Kindergartens: Analysis of Teachers' Narratives of Video Viewing." International Journal of Early Childhood Education. Vol.16 No.2 2010 pp.117-132(Joint Study: First Author)
- Fuminori Nakatsubo, Kiyomi Akita, Katsuo Yasumi, Tokie Masuda, Fumiko Sunagami and Junko Minowa 2009 "A Study of the Involvement of Japanese Early Childhood Teachers in Clean-up Time." Asia- Pacific Journal of Research in Early Childhood Education. Vol.3 No.1 2009 pp.69-85(Joint Study: First Author)
- 中坪史典・岡花祈一郎・古賀琢也 2010 「幼児同士の協同遊びを育む保育者の実践的思考」『教育学研究ジャーナル』,第6号,31-39頁(共著:筆頭著者)
Dijital Ethnography
- Weijie Zhou, Fuminori Nakatsubo, Jingchi Wu and Kun Liu “Digital Ethnography of an Online Professional Learning Community Based on WeChat for Chinese Early Childhood teachers.” Computers & Education. Vol.191 (In Press)(Joint Study).
複線径路・等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach)
- 土元哲平・上川多恵子・中本明世・加藤望・中坪史典「hana-TEM:アートで描くわたしの径路−TEAと質的探究学会第2回大会・研究交流委員会企画ワークショップ−」『立命館大学ものづくり質的研究センター紀要』,創刊号,1-12頁(共著)
- 大村拓史・貞松成・中坪史典「保護者が保育所等訪問支援を依頼するまでのプロセス:複線径路等至性モデリング(TEM)を用いて」『TEAと質的探求』,第1巻,第2号,97-115頁(共著)
- 李睿苗・大道香織・加藤望・前田寛子・若松美沙・上川多恵子・中坪史典「なぜB氏は特別支援学校教員として定年退職まで働き続けることができたのか−複線径路等至性モデリング(TEM)による分析−」『幼年教育研究年報』,第44巻,5-16頁(共著)
- 田島美帆・中坪史典「幼児教育アドバイザーの継続的な訪問は保育者と幼児教育施設に何をもたらすのか」『幼年教育研究年報』,第43巻,37-46頁(共著)
- 濱名潔・河口麻希・中坪史典 2017 「いざこざを経験した幼児はなぜ再び友だちと遊び始めたのか?-砂場で遊ぶ4歳児の事例分析-」『幼年教育研究年報』,第39巻,53−60頁(共著)
- 淀澤真帆・津川典子・城田花弥・力婷・井本美穂・中坪史典 2017 「幼児の遊び始めから切り上げまでの過程に関する研究-「それなりに」楽しむA太の事例から-」『幼年教育研究年報』,第39巻,23−32頁(共著)
- 保木井啓史・境愛一郎・濱名潔・中坪史典 2016 「子ども理解のツールとしての複線径路・等至性モデル(TEM)の可能性」『子ども学』,第4号,170-189(共著)
- 中坪史典 2015 「園内研修における質的アプローチの活用可能性−KJ法とTEMに着目して−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第64号、129-136頁(単著)
- 境愛一郎・中坪史典・保木井啓史・濱名潔 2014 「「もしも」の語り合いが開く子ども理解の可能性—複線径路・等至性モデル(TEMを応用した園内研修の試み−)『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第63号,91-100頁(共著)
- 保木井啓史・智谷思音・中坪史典 2014 「「ながら行為」としての保育者の専門性に関する研究—登園時から設定保育に至るまで−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第63号,111-120頁(共著)
- 境愛一郎・伊藤優・中坪史典 2014 「3歳児の共同遊びの展開プロセス—「おうちごっこ」の変容と維持に注目して—」『幼年教育研究年報』(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設),第36巻,33-41頁(共著)
- 境愛一郎・中坪史典・保木井啓史・濱名潔 2013 「保育実践研究のツールとしての複線径路・等至性モデル(TEM)−可能性と課題を探る−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第62号,161-170頁(共著)
- 中坪史典・小川晶・諏訪きぬ 2010 「高学歴・高齢出産の母親支援における保育士の感情労働のプロセス」『乳幼児教育学研究』,第19号,155-166頁(共著:筆頭著者)
SCAT(Step for Coding and Theorization)
- 中田周作・上田敏丈・肥田武・中坪史典「放課後児童支援員の「見守る」とは何か?−フォーカス・グループ・インタビューのSCATによる分析−」『中国学園紀要』,第19号,129-140頁(共著)
- 中坪史典・濱名潔・淀澤真帆・加藤望・田島美帆「質的データ分析法としてのSCATとうえの式質的分析法の比較−幼稚園長のインタビューデータから−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第67号,57-64頁(共著)
- 上田敏丈・中坪史典・吉田貴子・土谷香菜子 2017 「実践知としての保育者の「見守る」行為を解読する試み」『子ども学』,第5号,223-239(共著)
- 伊勢慎・中坪史典・境愛一郎・保木井啓史・濱名潔 2016 「KJ法を用いた園内研修において保育者はどのような振る舞いをしているのか」『幼年教育研究年報』(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設),第38巻,69-76頁(共著)
- 濱名潔・保木井啓史・境愛一郎・中坪史典 2015 「KJ法の活用は園内研修に何をもたらすのか-保育者が感じる語り合いの困難さとの関係から-」『教育学研究ジャーナル』,第17号,21-30(共著)
- 境愛一郎・浦上萌・上山留津子・伊藤優・七木田敦・杉村伸一郎・中坪史典 2015 「実践研究における保育者と研究者との連携のあり方-実践研究をめぐる認識の相違-」『幼年教育研究年報』,第37巻,37-46頁(共著)
- 伊藤優・浦上萌・上山留津子・境愛一郎・七木田敦・杉村伸一郎・中坪史典 2015 「実践研究における保育者と研究者との連携のあり方-大学院生の役割に着目して-」『幼年教育研究年報』,第37巻,47-56頁(共著)
- 中西さやか・境愛一郎・中坪史典 2013 「子どもの「今、ここ」という視点は保育者に何をもたらすのか—保育カンファレンスでの議論に着目して—」『幼年教育研究年報』(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設),第35巻,45-52頁(共著)
- 中西さやか・中坪史典・境愛一郎 2010 「「森の幼稚園カリキュラム」における幼児と自然との相互作用に関する研究−他者とのかかわりにみる幼児の変容プロセス−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第59号,167-174頁(共著)
うえの式質的分析法
- 田島美帆・濱名潔・渡邉真帆・加藤望・中坪史典「学生時代に幼児教育を学ぶことのなかった私立幼稚園長が子ども主体の保育を実施するに至った背景−うえの式質的分析法を用いて−」『国際幼児教育研究』,第27号,73-88頁(共著)
- 中坪史典・濱名潔・淀澤真帆・加藤望・田島美帆「質的データ分析法としてのSCATとうえの式質的分析法の比較−幼稚園長のインタビューデータから−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第67号,57-64頁(共著)
- 加藤望・中坪史典「高学歴女性の仕事と育児や家事の鼎立を阻む社会的状況−うえの式質的分析法を用いて−」『幼年教育研究年報』,第41巻,31-40頁(共著)
M-GTA(Modified Grounded Theory Approach)
- 上田敏丈・秋田喜代美・芦田宏・小田豊・門田理世・鈴木正敏・中坪史典・野口隆子・淀川裕美・森暢子「私立幼稚園における主任教諭のリーダーシップに関する研究」『保育学研究』,第58巻,第1号,67−79頁(共著)
- 境愛一郎・中坪史典・中西さやか 2013 「幼児の「挑戦的活動」はどのように展開していくのか—「木登り遊具」に挑むA男の事例から—」『乳幼児教育学研究』,第22号,89-99頁(共著)
- 境愛一郎・中西さやか・中坪史典 2012 「子どもの経験を質的に描き出す試み−M-GTAとTEMの比較−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第61号,197-206頁(共著)
Visual Ethnography
- 中坪史典 2010 「保育・幼児教育の分野における映像実践の最前線−子ども社会研究における映像の可能性−(研究情報)」『子ども社会研究』,第16号,89-100頁(単著)
- 中坪史典・岡田たつみ・三宅瑞穂「保育者の省察を促す方法としての「解説的分析」―映像実践を媒介とした保育者と研究者の協働から―」」『保育の実践と研究』,第14巻、第3号,54-63頁( 共著:筆頭著者)
Auto Ethnography
- 岡田たつみ・中坪史典 2008 「幼児理解のプロセス−同僚保育者がもたらす情報に注目して−」『保育学研究』,第46巻,第2号, 33-42頁(共著)
KJ法
- 伊勢慎・中坪史典・境愛一郎・保木井啓史・濱名潔 2016 「KJ法を用いた園内研修において保育者はどのような振る舞いをしているのか」『幼年教育研究年報』(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設),第38巻,69-76頁(共著)
- 中坪史典 2015 「園内研修における質的アプローチの活用可能性−KJ法とTEMに着目して−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第64号、129-136頁(単著)
- 濱名潔・保木井啓史・境愛一郎・中坪史典 2015 「KJ法の活用は園内研修に何をもたらすのか-保育者が感じる語り合いの困難さとの関係から-」『教育学研究ジャーナル』,第17号,21-30(共著)
場面想定法
- 箕輪潤子・秋田喜代美・安見克夫・増田時枝・中坪史典・砂上史子 2017 「時間に制約のある片付け場面における保育者の援助と意図」『保育学研究』,第55巻,第1号,6-18(共著)(共著)
Narrative Approach
- 中坪史典・柴山真琴・田中浩司・二宮祐子「保育フォーラム:保育学の研究方法論を考える(1)保育実践と質的研究:その「質」を問う」,『保育学研究』,第55巻,第3号,105-120