主な研究内容
保育者の専門性の探求
今日、保育者の専門性が保育の質や子どもの発達に影響を与えることが研究結果から明らかになっています。しかし、保育者の仕事は、「子どもと楽しく遊んでいるだけ?」「子守り?」など、とかく過小評価されることも少なくありません。こうした状況を鑑みて、保育者の専門性の高さと保育の営みの奥深さを解明し、社会に向けて発信することを目指しています。具体的には、感情の実践的意義、子ども理解、片付け、登園、Reggio Emilia Approach、保育(教育)の課程と方法、保育者養成などの観点から、保育者の専門性にアプローチしています。これまでの研究成果を掲載します(●:査読付学術雑誌)(◆:SSCI (Social Science Citation Index) Journal)。
<関連文献>
リーダーシップ
- 椋田善之・秋田喜代美・門田理世・鈴木正敏・中坪史典・上田敏丈・野口隆子・箕輪潤子・淀川裕美「事業継承タイプにみる私立幼稚園長と私立保育所長の継承意識に関する研究」『国際幼児教育研究』,第30巻,95-110頁(共著)
- 椋田善之・秋田喜代美・門田理世・鈴木正敏・中坪史典・上田敏丈・野口隆子・箕輪潤子・淀川裕美・森暢子「私立幼稚園の事業継承タイプ別にみる園長の継承への意識や課題に関する研究」『国際幼児教育研究』,第29巻,19-36頁(共著)
- 上田敏丈・秋田喜代美・芦田宏・小田豊・門田理世・鈴木正敏・中坪史典・野口隆子・淀川裕美・森暢子「私立幼稚園における主任教諭のリーダーシップに関する研究」『保育学研究』,第58巻,第1号,67−79頁(共著)
- 上田敏丈・秋田喜代美・芦田宏・小田豊・門田理世・鈴木正敏・中坪史典・野口隆子・箕輪潤子・椋田善之・淀川裕美・森暢子「事業継承における私立幼稚園園長のリーダーシップに関する研究」『国際幼児教育研究』,第26号,51-64頁(共著)
コミュニケーション・システム
- 中坪史典・秋田喜代美・砂上史子・高木恭子・辻谷真知子・箕輪潤子「日米の保育者は日本の幼稚園Webサイトをどう見るのか?−「こどものつぶやき」をめぐる語りに潜在する社会・文化的習慣や認識−」『チャイルドサイエンス』,第16巻,47-51(共著)
- 箕輪潤子・秋田喜代美・中坪史典・砂上史子・高木恭子・辻谷真知子「幼稚園はお便りを通して何をどのように保護者に伝えているのか:運動会のお便りの分析を通して」『武蔵野教育学論集』,第5号,201-217(共著)
見守る
- Fuminori Nakatsubo, Harutomo Ueda and Misa Kayama “Why Don’t Japanese Early Childhood Educators Intervene in Children’s Physical Fights?: Some Characteristics of the Mimamoru Approach.” Early Childhood Education Journal. (in press)(Joint Study)
- Fuminori Nakatsubo, Harutomo Ueda Takako Yoshida, Mariko Inoue, Sayaka Nakanishi Aiichiro Sakai and Lok-Wah Li “The Educational Intention behind Non-Intervention: A Case on the Japanese Mimamoru Approach as Early Childhood Teachers’ Professionalism.” Croatian Journal of Education. (in press)(Joint Study)
- 上田敏丈・中坪史典・吉田貴子・土谷香菜子 2017 「実践知としての保育者の「見守る」行為を解読する試み」『子ども学』,第5号,223-239(共著)
- 中坪史典「子どもへの多層的アプローチで「見守る保育」を実践する日本」,『保育ナビ』(フレーベル館), Vol.7, No.8,2016年11月
環境構成
- 中坪史典「子どもの言葉を育む保育者の関わりと環境構成」,『幼稚園じほう 2013 11』(全国国公立幼稚園長会),2013年11月
感情の実践的意義
- 中坪史典 2016「子どもの自律的問題解決を支える保育者の専門性−「見守る」「待つ」保育の実践的意義と奥深さ−」,『國學院大學人間開発研究』,第7号,2-11頁(単著)
- 中坪史典 2014 「保育者・教師の感情の表出と抑制から考える保育学と教育学の間」『教育学研究』,第81巻,第4号,436-447頁(単著)
- 中坪史典 2011 「保育者の専門性としての感情的実践に関する研究動向」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第60号,241-248頁(単著)
- 中坪史典・金子嘉秀・中西さやか・富田雅子 2011 「保育者のストラテジーとしての感情労働−幼稚園の3歳児クラスの分析から−」『幼年教育研究年報』(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設),第33巻, 5-13頁(共著:筆頭著者)
- 神谷哲司・戸田有一・中坪史典・諏訪きぬ 2011 「保育者における感情労働と職業的キャリア−年齢,雇用形態,就労意識との関連から−」『研究年報』(東北大学大学院教育学研究科),第59巻,第2号,95-112頁(共著)
- 中坪史典・小川晶・諏訪きぬ 2010 「高学歴・高齢出産の母親支援における保育士の感情労働のプロセス」『乳幼児教育学研究』,第19号,155-166頁(共著:筆頭著者)
子ども理解
- 中坪史典・香曽我部琢・後藤範子・上田敏丈 2011 「幼児理解から出発する保育実践の意義と課題−幼児理解・保育計画(デザイン)・実践・省察の循環モデルの提案−」『子ども社会研究』,第17号、83-94頁(共著:筆頭著者)
- 岡田たつみ・中坪史典 2008 「幼児理解のプロセス−同僚保育者がもたらす情報に注目して−」『保育学研究』,第46巻,第2号, 33-42頁(共著)
- 中坪史典・平良牧子 2004 「幼児の「マルチ能力」の発見と育成を志向した幼児教育実践−幼稚園におけるプロジェクト・スペクトラムの導入−」『子ども社会研究』,第10号,91-101頁(共著:筆頭著者)
片付け
- 箕輪潤子・秋田喜代美・安見克夫・増田時枝・中坪史典・砂上史子 2017 「時間に制約のある片付け場面における保育者の援助と意図」『保育学研究』,第55巻,第1号,6-18(共著)(共著)
- 砂上史子・秋田喜代美・増田時枝・箕輪潤子・中坪史典・安見克夫 2015 「幼稚園4歳児クラスにおける保育者の実践知:時期の異なる映像記録に対する保育者の語りの分析」『日本家政学会誌』,第66巻,第1号,8-18(共著)
- 砂上史子・秋田喜代美・中坪史典・増田時枝・箕輪潤子・安見克夫 2012 「幼稚園の片付けにおける実践知:戸外と室内の片付け場面に対する語りの比較」『発達心理学研究』,252-263(共著)
- 箕輪潤子・秋田喜代美・安見克夫・増田時枝・中坪史典・砂上史子 2009 「幼稚園における片付けの実態と目標の関連性の検討」『乳幼児教育学研究』,第18号,41-50頁(共著)
- Fuminori Nakatsubo, Kiyomi Akita, Katsuo Yasumi, Tokie Masuda, Fumiko Sunagami and Junko Minowa
2009 "A Study of the Involvement of Japanese Early Childhood Teachers in Clean-up Time." Asia- Pacific Journal of Research in Early Childhood Education. Vol.3 No.1 2009 pp.69-85(Joint Study: First Author)
登園
- 保木井啓史・智谷思音・中坪史典 2014 「「ながら行為」としての保育者の専門性に関する研究—登園時から設定保育に至るまで−」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』,第63号,111-120頁(共著)
保育者と研究者の協働
- 水野佳津子・中坪史典「乳児に対する保育者のアプローチとしての「背中の保育」」『乳幼児教育学研究』,第30巻,53-62頁(共著)
- 境愛一郎・浦上萌・上山留津子・伊藤優・七木田敦・杉村伸一郎・中坪史典 2015 「実践研究における保育者と研究者との連携のあり方-実践研究をめぐる認識の相違-」『幼年教育研究年報』,第37巻,37-46頁(共著)
- 伊藤優・浦上萌・上山留津子・境愛一郎・七木田敦・杉村伸一郎・中坪史典 2015 「実践研究における保育者と研究者との連携のあり方-大学院生の役割に着目して-」『幼年教育研究年報』,第37巻,47-56頁(共著)
- 中坪史典・杉村伸一郎・七木田敦・大野歩 2012 『平成24年度広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト:保育者の自発的な専門性向上のための大学研究者の役割 最終報告書』(研究代表者:中坪史典)
- 中坪史典・杉村伸一郎・七木田敦・大野歩 2011 『平成23年度広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト:保育者の専門性向上のための大学と保育現場の連携に関する研究 最終報告書』(研究代表者:中坪史典)
- 中坪史典・岡田たつみ・三宅瑞穂 2009「保育者の省察を促す方法としての「解説的分析」―映像実践を媒介とした保育者と研究者の協働から―」」『保育の実践と研究』,第14巻、第3号,54-63頁( 共著:筆頭著者)
協同遊び
- 中坪史典・岡花祈一郎・古賀琢也 2010 「幼児同士の協同遊びを育む保育者の実践的思考」『教育学研究ジャーナル』,第6号,31-39頁(共著:筆頭著者)
保育(教育)の課程と方法
- 田島美帆・濱名潔・渡邉真帆・加藤望・中坪史典「学生時代に幼児教育を学ぶことのなかった私立幼稚園長が子ども主体の保育を実施するに至った背景−うえの式質的分析法を用いて−」『国際幼児教育研究』,第27号,73-88頁(共著)
- 中坪史典・久原有貴・中西さやか・境愛一郎・山元隆春・林よしえ・松本信吾・日切慶子・落合さゆり 2011 「アフォーダンスの視点から探る「森の幼稚園」カリキュラム−素朴な自然環境は保育実践に何をもたらすか−」『広島大学学部・附属学校共同研究機構研究紀要』,第39号,135-140頁(共著:筆頭著者)
- 中坪史典 2004 「子どもの個性の発見をめざした幼年教育カリキュラムの検討−プロジェクト・スペクトラムの理論と実践−」『琉球大学法文学部人間科学科紀要・人間科学』,第13号,63-87頁(単著)
- 山崎晃・鳥光美緒子・七木田敦・石田裕子・中坪史典・縫部義憲・米神博子・林よし恵・道下真穂・松本信吾 2001 「幼稚園の教育課程はどのようにとらえられているか−インタビューを通して−」『広島大学学部・附属学校共同研究機構研究紀要』,第29号,205-211頁(共著)
- 鳥光美緒子・北野幸子・ 山内紀幸・中坪史典・小山優子 1997 「保育現実の分析のための方法論的検討−津守真における転回をめぐって−」『幼年教育研究年報』,広島大学教育学部附属幼年教育研究施設,第21巻,1-8頁(共著)
保育格差問題
- 吉葉研司・中坪史典・山崎久子・出沼佳奈子・金崎芙美子 2008「沖縄県における日本の保育格差問題」,『国際幼児教育研究』,第15巻,77-84頁,2008年3月
保育者養成
- 中坪史典 1994 「保育者志望学生の学生生活実態とその意識改革の支援に関する研究」『保母養成研究』,第11号,15-23頁(単著)
- 中坪史典 1994 「保育者志望学生の学生生活意識の改革支援を目指した調査研究−二次元イメージ拡散法利用とその有効性−」『教育学研究紀要第一部』,中国四国教育学会,第39巻,418-424頁(単著)