うじらぼアイチャッチ

iPad2を視覚障害教育で教材・教具として活用する方法

ここで利用している2台のiPad2とそのアクセサリーは、科学研究費補助金(基盤(C))「弱視者等の読書評価と教材表示支援システムの開発と評価」(課題番号:23531302)によるものです。

ここで紹介している内容は,特に視覚障害教育において,iPadを教育的視機能評価のツールとして活用するためのソフト開発の経緯です。

【日用視力評価ツール】

2013-03-31(sun)
「日用視野測定ツール」開発
 氏間研究室では,目が見えにくい児童生徒の見え方について,学校等で評価するためのツールを開発し,AppStoreにて公開しました。本ツールは,iPadで動作します。一度に見える範囲を教育的に評価するためのツールです。
 昨年度開発した,日用視力測定ツールは,どのくらい細かなものを見分けられるかを測定するためのツールでした。本ツールは,どのくらいのどのくらいのサイズの文字や数字をどのくらいの範囲で見ることができるのかについて測定することができます。
 行を飛ばして読んでしまう,漢字を部分的に見間違えてしまう,地図内を検索することが苦手といった児童生徒の見える範囲を,本ツールを利用して測定しその困難の様子を探り,特別支援に生かすことができるようになります。
 これまで,どれくらい細かなものを見分けられるかについて測定するツールは多く開発されていますが,見える範囲を測定するツールは数少なく,文字や数字を用いて見える範囲を測定するツールは,慶應義塾大学の中野教授がPC用に開発したもの以外には見当たらず,世界的にも数少ないです。
日用視野のオープニング画面
2012-11-14(wed)
日用視力測定ツールの妥当性と信頼性を評価しました。
【方法】
白濁膜遮へい下の晴眼大学生(12名)
単一視標とiPadツールの比較を行った。
1回目と2回目の比較(1週間間隔)
単一視標とiPadの関係性より、妥当性を確認
2度の結果の関係セより、信頼性を確認
【結果】
従来の紙とiPadでの測定結果の相関図 r=0.98
iPadでの1回目と2回目の相関図 r=0.01
【まとめ】
  • 従来の紙の視力とiPadの視力の間には強い相関がみられた(r=0.98)。
  • iPadの1回目と2回目の視力の間には強い相関がみられた(r=0.91)。
  • 従来の視力と同等の値を安定して測定できていると考えられる。
  • 今後は,学校現場での活用法に関する事例の集積が求められる。
2012-02-24(fri)
最終打ち合わせ。informationのデータ,ソフトの挙動等,細部にわたり打ち合わせをしました。3月リリース目標です。
2011-12-07(wed)
日用視力測定ツール
日用視力測定ツール設定画面
  • 科学研究費補助金で開発中の日用視力測定ツール、年明けには公開​か!?病院で測る医療用の視力ではなく、日常生活のなかで測る視​力なので、日用視力です。
  • 現在,Tripotという開発会社と共同で開発中!年明けにはAppStore登録予定です。また,来年度は実証試験を予定しています。iPad込みでお渡ししますので,その際は,ぜひ,ご協力ください。
  • 2012-06-05
    中国新聞に掲載されました
    「弱視の子ケアへアプリ開発」というタイトルで,中国新聞(2012-06-05)に掲載されました。関係者のみなさまに感謝申し上げます。